(小説)ひぐらしのなく頃に-紅殺し編②-
ひぐらしのなく頃にー紅殺しー
第二話「序章。」
「圭ちゃん?」
「ああ、ん?何だ??」
「どうしたの、ぼぉーとして。」
「ちょっとな。」
俺が考えてたのは、昨日のレナだ。
いつもと違う雰囲気を醸し出していた気がする。
あれが本来のレナなのか・・・、俺の思考はそこで止まってしまう。
「どうかしたの?心配事ならおじさんが乗るよ。勿論、おじさんが嫌ならレナだってみんなだっているし、独りじゃないんだよ。」
「魅音、お前たまにはいいこと言うな。」
そうだ、俺は今独りじゃない。
魅音だっているし、レナだって、梨花ちゃんだって、ちょっとムカつくけど沙都子だっているんだし。
やっぱり、昨日の事は忘れよう。
今、俺はそう決めた。
「たまにとは何さ。」
「まぁ、それでも感謝してるよ。ありがとな、でも本当大丈夫だから。」
「そっか、んじゃあここ、教えてよ。おじさんにはさっぱり。」
「はぁ、こんなのも分かんないのかよ。」
「だって、おじさん勉強はさっぱりだよ。圭ちゃんだって分かってるじゃない。」
「レナもちょっとここ分かんないなぁ。」
「レナもかよ。」
はっきり言うと、レナや魅音が分からないところというのは、基礎中の基礎の問題。
前の学校でこんなのが出来なかったら、テストは0点だっただろうし、馬鹿だという事で虐めの対象になっただろう。
それでも、ここはド田舎だから、別にこんな問題が出来なくてもいいんだけど・・・。
「この式をまず平方完成して・・・」
・・・
・・・
・・・
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
それと共に、教室は放課後という名の戦場と化す。
この1ヶ月、放課後というものは遊びであり、遊びというものは常に戦いである事を学んできた。
常に戦うからこそのスリルと面白味は、昔の俺には決して分からなかったと思う。
「はぁ、人に教えるっていうのは、3倍理解してなきゃいけないって言うけど、強ち(あながち)間違いじゃないな。自分の知識の浅さに反吐(へど)が出るぜ」
「圭ちゃんさ、そんなこと言ったら、あたしの立つ瀬無いよ。」
「あら、楽しそうでございますわね、圭一さん、魅音さん。今日の部活はどうするんですの?」
「そうだな、俺は特に何も思いつかないな、魅音、何かいい案ってあるか?」
俺が少し考えている間に、魅音はロッカーまで行き、何やら取り出そうとしていた。
「圭ちゃん。へっへっへ。昨日ね、部活で戦う新しいゲームを裏ルートから入手したんだよ。」
「まじかよ。んで、どんなゲームだ。」
「LIFETIME GAME.~裏ルート特装版~っていうボードゲーム。双六を強化したものと思ってくれればいいよ。ただね、そのそれぞれのマスにはね、色んなことが書いてあるんだよ。」
「裏ルートかよ?」
ボードゲームのタイトルといい、裏ルート特装版という怪しいロゴといい、どうやらツッコミどころ満載のゲームらしい。
「えっ、例えば、どんなことが書いてあるかな、かな?」
「猫耳つけて校庭一周とか、カレーなんて大嫌いだ!!って職員室で叫ぶとか。」
「後半のやつって、明らかに俺達向けじゃねぇか?」
「よく気付いたね、圭ちゃん。」
「それは流石に鈍感な圭一でも分かりますのです。」
「鈍感!?」
「圭一は鈍感なのです、気付いていないから鈍感なのです。」
それって、ちょっと馬鹿にされてる??
「別に馬鹿にしてはいないのですよ。にぱ~~☆」
「はい、やめやめ!!説明するよ!!このボードゲームはね、特注なのさ。だからより楽しめるって訳!!」
「へぇ、それは楽しみだぜ!!」
「んじゃ早速始めようか、じゃあ順番はジャンケンで、最初はグー。」
「「「「「ジャンケンポン」」」」」
梨花ちゃんはグー、魅音も、レナも、沙都子も、、俺は、、、チョキ・・・
・・・
・・・
・・・
今日は、本当に最悪な日だった。
何もかもが空回りだった。
悲惨という言葉でしか表現できない。
まずこのボードゲームは、僅か3分で決着がついた。
俺の一人まけ。
単純な事さ、カレーに当たっちまったんだよ、カレーに。
俺はこれから1年はカレーを食べません、とここに誓っておく。
「それにしても酷かったぜ、もう外真っ暗じゃねぇかよ。」
一度教室に戻ってはみたもの、誰もいなかった。
仕方ないので、一人で帰ることにする。
「ちょっと。」
「ちょっと!!」
ふと後ろから太い男の声がする。
暗くてよく見えないが、中年の男の声である事は、ある程度察しがつく。
「前原さん、ですよね?」
その太い声の男が段々と近づいてくる。
少し怖い感じがしたが、その後で警察ですと言ったので少し安心した。
「ちょっと車までいいですか?」
「あのー、一ついいですか?何か俺、警察に迷惑掛けるようなことしました?」
「いいえ、そんな事はありませんよ、ただですね、あなたに知っておいて欲しいことがあるんです。」
「それって、何ですか?」
「竜宮さんの事、そして園崎家の事ですよ、最近あなたの周りで不審な事が起きませんでした?」
「不審な事?」
不審な事といえば、昨日のレナの態度ぐらいなもので、今となれば何かの間違いであったような気さえする。
まぁそれが本当だとして、それを言っていいものなのか。
いくら警察とはいえ、友人を売る行為になるのではないか。
「いいえ、ありませんでしたけど。」
「けど、何ですか?」
「いや。」
「本当に些細な事でもいいんですよ。」
「何かあったんですか?」
「前原さんは、雛見沢に来てから日が浅いようですが、綿流しの意味って分かりますか?」
「綿流し?」
昨日、レナから聞いた・・・
あれ、思い出せない・・・
頭にノイズがかかったみたいになって・・・
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